器を整える

からだのこととか

【3日目②】 おやつとしてナッツを食べ始める、ネットの糖質制限メニューの華やかさに救われる

 

 糖質制限の前に、私は1年ほど前から、ゆるいグルテンフリーをやっていた。腸の悪い人、リーキーガット症候群の症状のある人に効果的だ、というのを読んで、はじめた。

 

ただしゆるいバージョンなので、完全な小麦粉カットではなく、主食とおやつだけ小麦粉を抜くという方法。おかずの小麦粉はOK。揚げ物はOK。つまりラーメン、パン、パスタ、うどん、クッキー類だけ基本的に食べないっていうゆるグルテンフリーだ。

 

ただ、ゆるい制限でも、これをやってみたら体が軽くなったし、じんましんと頭痛の回数はゆるやかに減った。何より下腹ぽっこりが見事に解消された。

 

主食から小麦粉を抜くのは、最初は苦しかった。パン屋の前を通るたびに、頭にあるすべての髪の毛をむんずとつかまれて引っ張られるみたいな恋しさがあった。パンとクッキーが好きすぎて1日1箱クッキーを食べていた30代を過ごしたので、好きすぎる恋人との別れのようだった。

 

それでも数か月経ってみると、小麦粉を食べた時の味覚が変わってしまっていた。食べてもおいしさがないのである。驚いて何度も口にしてみたけれど、おいしくない。小麦粉を食べたときに腹の底から湧くような「おいしーい♡」って全身がきゅーっとなる快楽、あれがやってこなかった。味のしない物体を食べている感じになった。(これはこれでショックだった)中でも、安い商品やお菓子ほど、味を感じられなかった。

 

結果的に、気がつくと、という形で、小麦粉への渇望感は消えていた。

いまでも、お呼ばれのときは主食でも小麦粉を食べるんだけど、食べるととたんに頭が重くなり、便の調子が変わる。腸が張って、便が固くなることが多い。たったひとつの食品でも、影響力はかなり大きいことを知る。

 

(もっとも食べられないものが増えるのは個体として弱いというかマズイ感じがするので、そのうち食べられるように戻るといいなと思っている。)

 

で、私はすでにグルテンへのさよならをすませていたから、糖質で大きく抜いてつらいのは白米とじゃがいもぐらいで、そんなに苦痛や抵抗はないのだったけれども、もしこれが病気で糖質制限をしなくちゃいけなくて、パンが大好きでという状態からはじめたら、かなりの苦痛だろうと思う。

 

たとえばクッキーが食べたいとき、全細胞が小麦粉を渇望するあの感じの中で、糖質制限なんだからクッキーを一切やめろと言われたら、自分の意識より先に細胞が謀反を起こしてしまい、夜中に夢遊病になってクッキーをむさぼり食べそうな気がする。

 

パンを食べなくなった今も、パンのことは好きなままだ。私が今パンを食べないのは体に向いていないからであって、パンが嫌いだからではない。パン屋の前を通っても、「ごめんよ、ゆるしておくれ、私だって悲しい、あんなに好きだったのに」というまゆげが八の字になるような、切ない気持ちで通っている。

 

ご飯を食べなくなってもご飯を嫌いになるわけではない。嫌いになる必要はない。好きと嫌いを超えた、どっちもありという一次元上の世界へ、私は行きたいのだ!

 

情報を読んでいく中で、「糖質制限をしたけど、しばらくして、普通の食事に戻しました」という内容に出会った。ネットにも本にもあった。これは朗報だ。体内で糖が適正バランスになったら、また以前の食事に戻すことができるということだ。目指すのは、ここだな。

 

 

体調の穏やかそうなケトジェニック体質に移行する間の苦しさを乗り切るには、食べられるものやレシピの写真などに集中するのがいい。できることに集中したくて、こんどは本じゃなくてネットでも検索してみた。

 

お腹が空かないと思っていたケトジェニックだったけど、まだまだ初めて3日目では普通にお腹が空く。おやつも食べたいという気持ちになった。

 

糖質制限的にすすめられるおやつは、ナッツ類がメインだ。ということで、ピスタチオを買ってくる。久しぶりに食べるピスタチオはおいしい。ナッツの中に甘みすら感じる。実際はしょっぱいんだけど。ナッツを食べたら、顔にブツブツが出ちゃうかなあと思っておそるおそる食べてみたけど、大丈夫だった。

 

カルディではロカボダイエットを推しているみたいで、「ロカボダイエット」の文字のあるナッツ類が売っていた。これまで糖質制限なんて興味がなかったから知らなかったけれど、ローカーボ(低炭水化物)ってのはすでに浸透していたのだな。

このピスタチオはロカボ商品ではなく、ハーブソルト味の酒が進む類のやつですけれどもおいしかったです。

https://www.instagram.com/p/BwmLx08gj3v/

#ケトジェニック #糖質制限ダイエット おやつのナッツピスタチオハーブ風味(カルディの)リピ♪超オススメ♡

 

体の異変はまだまだ続く。午後に入って、買い物に行った。そしてお菓子コーナーの前を通った時、猛烈に「チョコレートの甘いお菓子が食べたい」という気持ちになった。

 

ここ数年、こんな感じになったことはない。おやつはほぼポテチかおせんべいだった。なのに、こってりした甘さに強烈に魅かれている。体から湧き上がる欲望に戸惑いながら、それでも私の1週間実験の決意が勝ち、うっとりとする気持ちごとスーパーから帰って来る。

 

なんだこの気持ち。この感覚。どうしたらいいんだ。家に帰っても落ち着く気配はない。

 

甘いものが食べたくなるのは、きっと糖を抜いてる反動なんだろう。そしてこれは糖が体から抜け始めているってことなんだろう。頭ではそう思っているけれども、そんなことで欲求は消えない。体の欲求はボディブローのようにじわじわ続く。

 

こういうとき、みんなどうしてんだろうな? と思って糖質制限スイーツ、はじめて検索してみた。そうしたら、あるわあるわ、すごい数のレシピが出てきた。

クックパッドも、まとめサイトも、ありがたいことここの上ない。

 

もう一つ、インスタもすごい。

「そういえば女の人達が自分のレシピをUPしていたのはインスタだったな」と思い、使っていなかったインスタのアカウントを復活させて、糖質制限の検索をかけてみる。

 

このときに出逢った写真に対する私の気持ちは何と説明すればよいのかわからない。すごーい!楽しい!日本に分散しているであろう糖質制限レシピに取り組む人たちの料理写真が一気に見られる!

(#糖質制限レシピ #糖質制限スイーツ #ケトジェニック あたりで検索すると、一気に出てきます。)

 

楽しいテンションの写真が並び、ケトフルのつらさが払しょくされていく。ネットに自分のレシピを発表してる料理好きの女性たちが、楽しく工夫している。このライブ感。

糖を制限しているのに甘いもの食べるのって、矛盾といえば矛盾だ。それでも制限の中で創意工夫が百花繚乱し、むしろ制限が楽しさに置き換わっている。

 

糖質ないけど甘いよ!見て!美味しいよ!工夫したよ!そう語りかけてくる写真に、人間のたくましさを感じる。写真を見ているだけですくわれる。

 

写真はどれも糖質制限とは思えない美味しそうなお菓子やケーキが多く、すぐにでも作りたかったけれど、お菓子を作ったことがない私はオーブンも泡だて器も持っていない。それでも、お菓子欲はかきたてられて、写真を見る手が止まらない。

 

取りあえず、夕食を作らなければならないので、お菓子はいったんあきらめるとして、夕食の準備に取り掛かる。

 

今日は豚しゃぶを作ることにした。豚シャブ用に、糖質制限のタレを検索したら、「大収穫!」のサイトを発見した!

 

umablo.info

 

レシピ本では感じなかった「美味しそう!」な感覚。読むだけで楽しい。すべてが美味しそう。手順も楽しいし、なんか作りたくなる。制限っぽさがない!「うわ、おいしそう!私も作る!」と思った。

今日は、いいレシピとの出会いが多いなあ。嬉しいなあ。

 

いい勢いを得て、冷蔵庫の中にある材料で作れる「レモンマスタードドレッシング」を発見し、3日目の夕ご飯とした。

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糖質制限チャレンジ3日目夕食】

豚シャブ・玉ねぎのレモンマスタードソース

シンプルもやしとキャベツゆで

小松菜とシイタケのスープ

 

 

 

 夜に、kindleunlimitedで、この本を見つけて聴く。

 

この本のすごくよかったところは、ケトン体の利点・問題点、糖の利点・問題点がフラットに書かれていたことだ。

 

今まで読んだ中で最も対等に扱っていた。読んでよかった。よかったというか、助かった。やはりケトン体メインの本はケトン体に肩入れしていたんだなあと気がついた。

糖は、瞬発力エネルギー。ケトン体は持久力エネルギー。役割は違う。ずっとケトン体は大変だ。糖だっていいところあるよ。必要だよ。

こんなイメージがこの本から得られたように思う。

 

(分子構造のお話が長々出てきたときには、わからなすぎてクラっとしたが、それでも聞き流していると、同じ油でも働きが違う理由って、つきつめていくと分子の話になることはわかったから、聞き流しててよかった)

 

3日目まとめ

  • ケトジェニックな体になる前に、ケトフルがある
  • 糖質制限中に猛烈に糖に魅かれる、しかし、克服するお菓子が存在する。
  • やるなら、ちゃんと糖質をはかって、適正量を見い出した方がよい
  • 糖もケトン体もどっちも使えるのが理想(体も糖を摂るとひどいケトフル収まる